「流されるままに生きる」ことと「流されて生きる」。
似たような響きの言葉だけど意味合いは全く異なる。(日本語って難しい…)
人生に関する話で”流される”と聞くと、なんだかネガティブなイメージが湧いて来ると思うけど、それは自分の人生が大したことないと感じる、自分を見失う、自分の意見を持たないということがイメージされるから。
僕も長い間、世間や他人その他諸々に流されながら生きていた。親に言われるまま特に興味のなかった水泳や英会話の習い事をしたり、「よくわかんないけど大企業なら安定してるだろう」と適当に就職先を決めたことを思い出す。
これまでの僕の人生を振り返れば、自分の人生全てを他人に身を任せるのは危険だなと思った…けど、他人に流されないことだけに固執するのは違うかなとも考えている。
「流されるままに生きる」ことを考えてみたりもする。
「 流されるままに生きる 」ことを考えてみた
流されるままに生きるとは何か?
具体的には、
「自分が大切にしている思い・価値観はなんとしても守り抜き、かつ他人の意見も柔軟に取り入れる生き方」
と僕は勝手に定義している。
かっこよく言うと柔よく剛を制すというか。
僕もこういう生き方をポリシーの1つとして持っているけど実践できてるかは…かなり微妙だ。
よく考えてみれば、自分の周りにある環境や人、時代の影響を受けない人間は誰もいない。
蛇口をひねれば水が出てくるのが当たり前な環境があれば、毎日長い距離を歩いて水を汲みに行かなければならない環境で生まれ育つ人もいる。
パソコンが得意な子供がいても、ただのオタクと捉えられるか、将来の逸材として手厚い教育を受けられるか…周りの環境や人がその子の才能を見抜けるかで決まる。
運よくバブル時代に就活して楽に就職できた人と、運悪く景気が悪い時期に就活がかぶってしまった人がいる。
つまり完全に他人に流されない生き方をすることなんて不可能なわけです。
自分の常識や経験なんてのは、生まれ育った環境や時代、周囲の人によってだいだい決まるし、それらが1つ1つ積み上がってひとりの人間を形成していく。
最初に話した習い事とか就職した会社で学んだことも全てが無駄だとは思わない。
面白かったことばかりではなく、嫌だな~と思ったり、嫌々やらされた経験だって多いというかほとんどがそういう類の思い出だ。でもそこで培った経験は意外なところでつながっているなと感じる。
例えば仕事でPCを打つ機会が学生の時より増えたおかげか、今ではブラインドタッチもお手の物。最初は嫌がっていた水泳も、今じゃ趣味の一つ。英会話に行っていたおかげで、中高の英語の成績は結構よかった。
だから自分が経験してきたことに無駄なものは一つもないし、その全てが自分の血肉となっていくんだろう。
「絶対こうしたい!」と自分の意見に固執するといつまで経っても視野が広がらないし、周囲から冷めた目で見られがちで辛い生き方になるんじゃないかな?
「流されるままに生きてみる 」ことをちょっとでも意識すると、片意地を張らず気楽に生きることが出来るし、悪くないと思うんだけどどうだろうか。
間違っても上手に生きるなんて考えちゃだめだ。下手でもいいから、流されるままでもいいから、最終的に自分の理想にしっかりたどり着ればそれでいいんじゃないかな?
人生のプライオリティを何に置くか?
だからといって、自分の意見を持たず他人に流されっぱなしというのは危険だし自分を見失ってしまう。
自分の人生が大したことがない、と悲観的になってしまいやすい。
これを防ぐためには、自分の人生のプライオリティを何に置くか?ハッキリさせることが1番だと思う。
お金?家族?友達?仕事?
人の数だけ答えはあるだろう。
僕にとって、命の次に大切なのは「時間」。
理由はただ一つ。
自分が好きなように使える時間を増やすことにしか興味がないから。
最近は週2休みでない企業も多く、未だにサービス残業や残業時間数自慢といった理解しがたい風習が横行している。テレワークとかがもっと普及していけばそういう風潮も変わっていくのかもしれないけど、まぁそう簡単にはいかないだろう。
他にも定時で帰ろうとした途端に周囲から冷たい視線をあびるなど、ただただ自分の貴重な時間を食いつぶすばかり。
だからこそ僕は、「自分の人生を好きなこと・大事な人の為に使える時間だけで満たす」ことに人生の主眼を置いている。これは譲れない部分だし、セミリタイアや隠居生活だってその為の手段だ。
そんなわけで僕は最低40歳までに週5フルタイムの労働から脱して、それ以降はひっそり隠居生活に入る予定である。
最後に
これだけは譲れない!という核を決めてしまえば、他のことは流されるままにしておけば良いので決めた瞬間から人生が楽になるんじゃないかな。
自分にとって大切なものは大事に守り抜き、降りかかる困難や自分への批判は合気道のごとく受け流す。
そして時には、他人の意見や思いがけない経験を自分の中に取り入れて自分の血肉にする。
これからの人生も流されるままに楽しんでいきたい。
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